モンゴル自由連盟党

2012年5月25日掲載
南モンゴル通信
 5月18日、内モンゴル自治区オンニュード旗(Ongnigud)バヤンタラ・ソム(Bayantal-a sumu)のバヤンショグイ村(Bayanshigui)とアンジインアイル村(Anjai-yin Ail)の間で土地紛争が起こり、18人が怪我し、そのうち2人が重傷を負った。
 事件の概要は以下の通り。
 まず今から3年前、バヤンショグイ村の500亩(ミュー)の土地を、隣の村のフチュンバートル(Khuchibagatur)という男が勝手に中国人(漢人)から3万人民元で借りてしまった。それに対しバヤンショグイ村のモンゴル人達が抗議した。この抗議に対し、彼は多くの中国人(漢人)を連れてきて暴力に及び、怪我人が出たが、何も問題とされなかった。
 今回の事件も3年前と同じ構図であった。オンニュード旗のボルホト(Borukhota)で、彼は2,30人の刀や鉄のパイプを持った中国人を連れてバヤンショグイ村のモンゴル人達に対する暴力行為に及び、18人を怪我させた。うち2人は重傷で、現在ボルホトの病院で入院している。

 3年前から何回も起こっているこうした大事件を、社会の安定に気を配るべき政府、あるいは普段はモンゴル人に対して厳しい公安がなぜ無視し続けるのか。その理由は実に簡単である。フチュンバートルという男は、政府につながりがあったからだ。もし政府になんらかの関係を持ってれば、どんなに理不尽なことでも、違法的な事件でも、何も問題がないとされてしまうのが現在の中国的な社会主義の大きな特徴の一つである。
 そしてもう一つ忘れてはいけない大きな理由は、この事件は中国人からモンゴル人への攻撃であったという点である。もし逆に、今回の事件でモンゴル人たちが中国人たちに怪我をさせたのであれば、少なくとも刑事責任を問われ、罰金あるいは懲役刑を受けたであろう。さらに、そういった事件が少し広がれば、政府から公安・武装警察だけではなく軍まで派遣されるような事案となるだろう。そして、事件を起こしたモンゴル人達は、“民族分裂主義者”とされ、「我々の偉大なる祖国を分裂させようとしている犯罪運動である」と決め付けられことになるのだ。

 現在の南モンゴル地域では、こういう事件が実に多く発生している。昨年5月10日、自分達の牧草地を守るため、環境保護活動家メルゲン氏が中国人のトラック運転手に殺されたあの残酷な光景は、いまだに我々南モンゴル人の記憶に新しい。(レポーター:ウリジ)




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