モンゴル自由連盟党

2011年10月23日掲載
南モンゴル通信

2011年10月20日、内モンゴル自治区オルドス市(元Yehe zho盟)ウーシン旗ガルートゥ鎮フヘトロガイ・ガチャより南に3キロ地点にある牧草地で、漢人の李有亮(Li Youliang)は運送トラックで牧畜民ジョリゴト(Zhorigtu)氏を残酷にひき殺した。ジョリゴト氏は事件のあった牧草地の主人である。

よく知られている通り、今年5月にも牧畜民のメルゲン(莫日根)氏が漢人の強引な開発を妨げるための抗議活動中に、石炭運搬トラックの運転手によって故意にひき殺されている(内モンゴル自治区シリンゴル盟西ウジムチン旗)。これに対して、モンゴル人による驚くべき規模の抗議事件が起こり、欧米や日本をはじめとして世界各国で報道された。それからまだ5ヶ月も経っていないというのに、同じような悲惨な事件が再度内モンゴル草原で発生した。ジョリゴト氏は、モンゴル人の牧草地を保護するため、、またこの地球を漢人の環境破壊から守るための活動の中、またもや非情な漢人の運転手によってメルゲン(莫日根)氏と同じく残酷にひき殺されたのである。

5月10日のメルゲン事件の後、当局は迅速に加害者の運転手を裁くこと、内モンゴルの資源開発を進める際に現地の環境改善にも取り組み、牧畜民に補償することなどいわゆる「救済措置」を進めることを承諾している。しかし応急処置をしたところで、決して根本的な解決にはならない。これらの措置は、われわれの祖先の残してくれた生存環境と牧畜民の人権が侵害され続けているこの情況を誤魔化しているに過ぎない。ジョリゴト氏は祖先の残してくれた生存環境を守るため、漢人の車輪の下で惨死した。この惨事は、メルゲン事件以後もモンゴル人の基本的人権や尊厳が完全に無視され続けていることの証明である。

中国共産党は政権を握って以来、モンゴル人の生存空間を抑圧し続け、モンゴル人の土地を奪い、モンゴル人のあらゆる権利を迫害してきた。今回の事件の背後にある原因を分析してみれば、中国共産党の民族差別と高圧的な統治の下、モンゴル民族と漢民族との間で民族矛盾・対立がいかに高まっているかがわかる。金持ちの漢人の目で見れば、モンゴル人の生命には1文の価値もない。彼らはモンゴル人の牧草地をトラックで勝手に走り、家畜を撥ね殺し、モンゴル人を平気な顔でひき殺している。

チベットでは中国共産党の宗教迫害に対し、多くのチベット人の若者が男女問わず焼身自殺し、当局に抗議した。モンゴル人も平和的な抗争を試みてきた。しかし結果は、中国共産党当局による荒々しく非情な蹂躪であった。私達モンゴル人も、チベット人も、大切な命を犠牲にして抗議する姿によって、世界の人々に気づかせている。自由を呼吸する空気はどれほど貴重なのかということ、またその代価とはこのように大きいものなのだ――ということを。

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